5月 192018
 

増田明利さんの本に紹介されている
オーナーシェフ、三谷英郎さん(57歳)の話。

彼はフレンチのシェフとしてずっとやってきた。
念願だった自分のお店を持ち、
3店舗の経営まで拡大できた。

それが2000年を過ぎたあたりから
格差社会だとか失業率だとか騒がれ、
その上デフレの波で
激安の牛丼やハンバーガーが登場し、
売上げが下降線をたどる。
2店舗を閉鎖した。

そんな中でカレー、パスタ、グラタン、ステーキと
洋食レストランに切り替えて何でもやった。
頑張った。

ところが低価格帯の専門料理チェーン店や
1皿270円の均一居酒屋が登場し、
800円の定食では太刀打ちできなかったと言う。

彼はこの先の未来の暗さや
奥さんのヘルニアが悪化したことで
ついには自営の道を閉ざす。

彼がダメになった理由を考察してみる。

1、フレンチシェフとして誰にも負けない武器がなかった
2、価格と味だけで勝負しようとした
3、自分の頭だけで考えて切り抜けようとした
(もしくは相談できる相手がいなかった)

彼が生活のためにファミレスで働いている時、
少し火を加えたりするだけの工場生産の調理ものに
プロとしてやってきた自分の落ち目を憂いて
2ヶ月で辞めてしまった。

この人は料理人としてのを捨てていないんだな。
そりゃ感動のないファミレスの料理じゃ
プロとしてのプライドが許さないわな。

ならどうしてフレンチを捨ててしまったのか?
大衆的な洋食レストランに切り替えたのは
高級フレンチはもう時代に受けないと早合点して、
お金になりそうな大衆向けの料理を提供しようとした。
そんな時でも儲かっているフレンチレストランはある。
なぜそこへ調査に行かなかったのか?
アドバイスをもらえたかもしれないのに。

飲食店経営は本当に忙しい。
その日その日を乗り切ることで精一杯。
だから見聞を広めるための時間もないし、
疲れて読書ですらできない。

そうなると時代の変化を感じ取って
次の新しい一手を打てない。

「経営者とは、企業の将来に手を打つ人である」
by 一倉定

おいしいだけではダメ。
安いだけでもダメ。
立地がすべてでもない。

私がこの悩める時代に生きる人々を観察し続け、
飲食店が提供できる価値が何なのかを伝えたい。

「あなたが生きているだけで私は幸せ」

数億人いる他者との関係性の中で、
唯一無二であると同時に
苦を背負う存在である“あなた”に
感謝とその労をねぎらうことなのです。
(斎藤一人氏はそれを“自己重要感”と言った)

お店にいる時だけでもいい。
あなたのその苦しさを分かるよ、
あなたという存在を歓迎してるよ、
そんなサービスをやってほしい。

「疲れた者、重荷を背負う者は、誰でも私の元へ来なさい」
「休ませてあげるから」by イエス・キリスト

どうしていいのか分からない人がいたら
私に連絡をして下さい。
楽にしてあげるから。